医療費の制度、このシステムを知らないと「もらえていたはずものがもらえなかった」ということが起こります。
大きな病気をすることで心身の負担もそうですが、医療費がかさんでしまうことで2重に心労がかかります。
こういったもしもの時のために、少しでも医療費を安く抑える色々な制度や方法があるので、この章ではそのことをお伝えします。
高額療養費制度
大病や大怪我で医療費が高額になってしまった場合に利用できる制度が「高額療養費制度」というシステムがあります。
1ヶ月の医療費が一定の金額(限度額)を超えた場合、その超過分が払い戻されるという制度です。
これは非常に有り難いですよね。病気が大きいほど会社を休んだり生活にも影響が大きいので少し安心できます。
この制度の受け取れる限度額は年齢や所得によっても変わってきます。
ここで気をつけて欲しいのが限度額割れです。というのも「高額療養費制度」は1ヶ月単位の計算になるからです。
支払った治療費が同じでも、その月なのか月をまたいで翌月なのかで、全く受け取れるお金は違ってきます。
月をまたいでしまうと1ヶ月単位なのでもらえない可能性もあるので注意してください。
入院だけではありません。同じ薬を飲み続けた場合でも同様です。同じ月にまとめてもらうほうがこの制度が適用されやすくなります。
傷病手当金
病気や怪我で働けなくなった場合に適用できるのが「傷病手当金」です。会社員や公務員でしたら1日につき給与(標準報酬日額)の3分の2の金額を受け取れるという制度です。
支給期間は最長1年6ヶ月間と、いつまでももらえる金額ではないですがやはり有り難いですね。
ただ、初日から支給されるというわけではなくて、休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。
初日は土日も含められるので、初日が土曜だった場合土日月の3日間休めば火曜日から支給対象となります。
かかりつけの病院、主治医を決めておく。
なるべく診療時間内に受診するようにして、時間外診療の加算がないよう気をつけましょう。早朝や深夜、時間外診療は回避するだけでも、費用を抑えることができます。
もちろん、お金より身体が大切なので無理はなされないでくださいね。あくまでシステムではこのようになっているという風に理解してくださいね。
紹介状なしで大病院を受診すると、初診料に「特別料金」が加算される場合もあります。
特別料金は各病院で任意で設定されています。病院によってまちまちですが、5,000円程度の病院が多いよう思われます。こちらは残念ながら保険適用外の料金です。
医療費が年間10万円を超えたら医療費控除を忘れない。
長期間の通院や治療、入院、手術などで1世帯あたりの1年間の医療費が10万円(総所得が200万以下なら5%)を超えると「還付金」として戻ってきます。
所得と1年間にかかった医療費を計算し、該当すると判断した場合は必ず確定申告で医療費控除を行うようにしましょう。
申請すれば上限200万円まで課税所得額から控除され税金の還付金として受けとれます。
ここで気を付けておいて欲しいのが医療費にかかった領収書は全て保管しておくということです。申告には1年間分の領収書が必ず必要となるので紛失してくださいね。
複数の科で受診するなら同じ病院、同じ日のほうがお得。
病院や診療所で受信すると必ずかかるのが「初診料」と「再診料」です。「初診料」はその病気で初めて受診したときの基本料金です。
3割負担の方だと初診料は850円かかります。「再診料」はその病気で、同じ医療機関を2回目以降に受診した場合にかかる料金で220円です。(但し、診療所と一般病床200床未満の病院)
それが同じ病院内で同じ日に受診すると、2科目は「初・再診料」が半額になります。さらに、3科目以降はいくつ受診しても「初・再診料」はかかりません。
ということから、病院はできるだけ同じ病院で同じ日にまとめてかかるのが費用的に安く抑えることができます。医療費以外でも往復の交通費などを考慮してもやはり同じ日のほうがいいですね。
同じ薬局を利用し、行くときは必ず「おくすり手帳」を持参する。
2016年4月から診療報酬改定で変更されたのが、「おくすり手帳」の扱い方です。
それまでは、患者が手帳への提出を断ると、処方せんの受付1回につき20円安くなっていましたが、改定後から逆にお薬手帳を持参しないと薬代が高くなってしまうようになりました。なんか罰ゲームみたいで正直残念です。
薬局で調剤される場合、おくすり手帳の料金が薬局で支払う「薬剤服用歴管理指導料」に含まれています。
お薬手帳を持参すると管理指導料は380円で、持参しなかった場合は500円がかかることになりました。
その差は120円です。保険が適用されますので1割の人で10円、3割の人で40円です。わずかですが、極力おくすり手帳は持参しましょう。
市販薬よりも処方薬のほうがお得です。
自己判断で市販薬を購入するよりも、専門医が処方する処方薬をもらう方がお得です。
市販薬はどうしても価格分すべて全額負担となりますが、処方薬は健康保険で負担額(1割、通常の方は3割)のみで済むからです。
また、処方薬の場合専門医が処方してくれるので、早く完治できトータル的に見ても時間かからない分、安く抑えられると言えるでしょう。
また、ジェネリック薬品は正規の薬と比べても効果は同じで、安い医薬品を提供してもらえるのでお得に使用できます。